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2009.09.24 Thu

「NTTドコモが、携帯電話の素材に『木(ヒノキ)』を使った試作機『TOUCH WOOD』を発表した。間伐材を活用し、『環境にもやさしい』のが特長で、『木』のケータイは世界でも例をみない(J CASTニュース)」というのですが、これってエコ便乗商品のような気がするのは私だけでしょうか?「今回の試作機における木材の調達にあたっては、音楽家の坂本龍一氏らの呼びかけで、国内人工林の間伐の促進をはじめ、森林保護活動を続けているモア・トゥリーズ(more trees)の協力を得て、四万十原産のヒノキの間伐材を使用した。間伐材の利用を促進し、陽の光が差し込む『健康』な森林の育成と林業の再生を支援するのがモア・トゥリーズの目的で、NTTドコモもこの活動に賛同している」ようです。坂本龍一さんが主宰している『モア・トゥリーズ(more trees)」の活動はそれなりに評価できるのですが、木製の携帯電話を1機種くらい作っても、間伐材の消費促進にはほど遠いと思うのです。NTTDoCoMoも携帯電話のケースの半分を木製にするくらいの思い切ったことをやるのなら、賞賛に値するでしょう。確かに間伐されていない人工林は、植えられた木が太く育たず、次第に森全体が経済価値のないものになっていくようですが、この状態を放置しておくと、今後日本の自然環境はどのような悪影響を受けることになるのでしょう。林業はすでに立ち直れないほどのダメージを受けていることは確かですが、そもそもの原因は、輸入材の増加による価格競争での敗北と同時進行して起きた森林従事者の高齢化および後継者不足です。かなりの山村はすでに限界集落化しており、そのうち、山奥には人っ子一人住まなくなるかもしれません。そうなると、ますます山は荒れ果て、自然災害が頻発するでしょう。しかし、はっきり言って、経済的に価値のないものが見放されてしまうのは、致し方のないことです。昔、渓流釣りで関西一円の山奥の渓流に分け入っていた頃、どこの川にも決まって川沿いに杣道がありました。こんな断崖絶壁のようなところによくぞ道を作ったもんだと感心するような杣道を何度も通らせてもらったものです。人間というのは、生きるためならこんな大変な努力もするんだと、いにしえの杣人たちの苦労に頭が下がりました。しかし、これらの杣道は、川の上流域の植林帯への通行のために作られたのであって、その目的がなくなると一気に廃道になってしまいます。100年スパンで考えると、日本の人工林をこのまま放置しておいても、やがて森林再生で自然林に戻っていくのかもしれませんが、山林のほとんどが個人の財産である以上、管理面でも個人の経済的負担を国が肩代わりするわけにもいきません。それでも、山仕事がしたいという若者がいることも事実です。しかし、彼らは山で稼ぎたいというより、自然保護に関心があるようです。いっそのこと、国が荒れ放題の山林を買い上げて国有林化し、若者を公務員待遇で森林管理レンジャーに任命した方がいいのかもしれません。なんといっても、自然保護、環境保全というのは経済活動とは相容れにくいものです。公共事業で山奥に立派な道路を作るのも、ダムを造るのも、そろそろ辞め時だと思いますしね。