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2009.02.18 Wed

「告白」という小説を読了しました。結構話題になっているミステリーなんですが、こまっしゃくれた2人の男子中学生と1人の元女性教師が引き起こした殺人の話です。全体が6章に分かれていて、1章目は、女性教師の終業式後のホームルームでの告白、2章目以降、美月という名の女子中学生が書いた女性教師への手紙形式の作文、少年Bの独白、少年Bの母親の日記、少年Aの独白と、事件の関係者の口からそれぞれに告白が語られるのですが、こんな風にそれぞれの関係者の心の襞に分け入って心情を吐露する告白を紡ぎ出す作者の力量は相当なものです。しかし、読後に後味の悪さが残りました。何も残らない小説よりは後味の悪さでも残った方がましなのかも知れませんが、こんな中学生はいないだろうというのが正直な感想です。最近の連続殺人事件の犯人たちが口にする「誰でもよかった」に通じるのかも知れませんが、中学生がこんな動機で殺人を犯すでしょうか。同時に、こんな女性教師がいたら世も末だとも思いました。読んでいて違和感があったのは、思春期にトルストイやドストエフスキーを何度も読み返すような少年は、こんな事件は引き起こさないんじゃないかという素朴な疑問です。特にドストエフスキーは人間性の負の部分をこれでもかと描いていますが、作品全体から受ける感動は、作家自身が持つ人間性の善なる部分への信頼から生み出されているのだと、私は愚考する者です。